こんばんは、オオガキです。
本日はショベルヘッドのエンジンを象徴する部品のひとつ、ロッカーボックス(ロッカーカバー)の塗装についてご紹介いたします。
ショベルヘッドと言えば、独特な形状をしたロッカーボックスを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。シリンダーヘッドの最上部に位置し、エンジン全体の印象を大きく左右する重要なパーツです。一般的にはアルミ地肌のまま使用されていることが多く、ショベルヘッドらしい無骨な雰囲気を楽しめる仕様となっています。しかし今回は車両全体のイメージに合わせ、艶を抑えたブラック仕上げを選択いたしました。
今回採用した塗装方法はパウダーコートです。
パウダーコートは一般的な液体塗装と比較して塗膜が厚く、耐久性にも優れております。エンジン周辺という過酷な環境で使用される部品ですので、耐久性やメンテナンス性も考慮しながら塗装方法を選定いたしました。エンジン部品にはさらに高い耐熱性能を持つ塗装方法も存在します。しかし施工性や仕上がり、耐久性、コストなどを総合的に検討した結果、当店では通常のブラック仕上げとしてパウダーコートをおすすめすることが多くなっています。
一見すると単純な塗装作業に見えますが、実はエンジン部品の塗装は下処理が非常に重要です。特に今回のような部品で、以前にメッキ加工や塗装が施されていた場合は注意が必要です。特にメッキの剥離作業は簡単ではなく、素材への影響や仕上がりのリスクも伴います。そのため塗装前の下準備には十分な時間と手間をかける必要があります。
また、ガスケット面やシールが接触する部分に塗装が乗ってしまうと、オイル漏れや組み付け不良の原因となる可能性があります。そのため塗装前には細かくマスキングを行い、必要な部分には塗膜が付着しないよう慎重に作業を進めています。
アルミ地肌のクラシックな雰囲気も魅力的ですが、ブラックアウトされたロッカーボックスはエンジン全体を引き締め、より力強く精悍な印象を演出してくれます。車両全体のイメージに合わせて、こうしたエンジン周辺部品の仕上げ方法を変更するだけでも完成時の印象は大きく変わります。エンジン周辺のブラックアウトをご検討中のお客様は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
そして、修理が目的で分解する場合もありますが、今回のように塗装やリフレッシュが主な目的であったとしても、せっかくここまで分解したのであれば内部の清掃や点検を行いたいところです。
長年使用されたショベルヘッドの燃焼室内部には、どうしてもカーボンやオイル汚れが蓄積しています。これらを手作業だけで除去しようとすると非常に時間がかかりますし、細かな部分まで綺麗に仕上げるのはなかなか大変な作業です。そこで当店ではウェットブラストを活用しながら燃焼室やポート内部の汚れを丁寧に除去していきます。ウェットブラストはアルミ素材への攻撃性が少なく、素材を傷めにくいことが特徴です。長年蓄積した汚れやカーボンを落としながらも、アルミ本来の質感を保ちやすいため、ヴィンテージハーレーのエンジン部品には非常に相性の良い処理方法だと考えています。
そして清掃作業とあわせて確認しておきたいのが、バルブとシートリングの当たり面です。エンジンの圧縮を維持するためには、この当たり面の状態がとても重要になります。汚れの除去を目的とした軽いオーバーホールであっても、当店ではバルブのすり合わせを行い、密着状態を確認しております。ただし今回の作業は修理が主目的ではありません。そのためバルブシートの修正についても必要最小限に留めています。過度な研磨は部品寿命を縮める原因にもなりますので、むやみに削ることはいたしません。
特にバルブそのものは研磨を繰り返すことでフェイス部分が薄くなり、強度低下や耐久性の低下につながります。そのため当店では、できる限りバルブ側を温存し、ヘッド側のシートリングを適切に修正するという考え方で作業を進めています。
目に見える外観のカスタムももちろん大切ですが、こうした内部のメンテナンスを同時に行うことで、これから先も安心してショベルヘッドを楽しんでいただける状態へと仕上げていきます。ロッカーボックスの塗装や外観のリフレッシュをご依頼いただく際も、内部の状態を確認しながら必要なメンテナンスをご提案しております。
明日のオオガキは、朝から埼玉県へ走りまして1台のチョッパーをお引き上げに伺ってきます。
では、
お休みなさいませ♪